○川西市議会議員及び市長の倫理に関する条例
平成3年11月11日
条例第23号
(目的)
第1条 この条例は、市政が市民の厳粛な信託によるものであることを認識し、その負託にこたえるため、市議会議員(以下「議員という。)及び市長の政治倫理に関する規律の基本となる事項を定めることにより、市民全体の奉仕者として、政治倫理の確立と向上に努め、常に良心に従い誠実かつ公正にその職務を行うべきことを促し、あわせて市民の市政に対する正しい認識と自覚のもとに、市民自身の市政への参加を制度的に保障することにより、清浄で民主的な市政の発展に寄与することを目的とする。
(議員及び市長の責務)
第2条 議員及び市長は、市民全体の代表者として、市政に携わる権能と責務を深く自覚し、地方自治の本旨に従って、その使命の達成に努めなければならない。
(政治倫理基準)
第3条 議員及び市長は、次に掲げる政治倫理基準を遵守しなければならない。
(1) 市長又は市の機関が行う届出受理、許認可、命令、職員の採用又は昇進、行政指導、契約、補助金の交付その他の職務の遂行(不作為を含む。)に関し、特定の企業、個人、団体などのために不当に有利な取り計らいをせず、又は不当に有利な取り計らいをするように議員並びに市の機関及び職員に働きかけることをしないこと。
(2) 政治活動に関し、企業、団体等から受けることのできる寄付等は、市民全体の利益を目的とするその政治活動を支援するためのもののみとし、特定の個別利益の見返りとしての寄付等又はそれを期待する寄付等は、受けてはならない。その後援団体についても、また、同様とする。
(3) 常に市民全体の利益のみをその指針として行動するものとし、その地位を利用していかなる金品も授受しないこと。
(4) 市民全体の代表者としてその名誉と品位を害するような一切の行為を慎み、その職務に関し不正の疑惑を持たれるおそれのある行為をしないこと。
2 議員及び市長は、政治倫理基準に反する行為として疑惑を持たれた場合は、自ら誠実な態度をもって疑惑を解明し、その責任を明らかにするよう努めなければならない。
(誓約書の提出義務)
第4条 議員及び市長は、議会又は市長が定めるところにより、この条例を遵守する旨の誓約書を提出しなければならない。
(政治倫理審査会の設置等)
第5条 政治倫理に関する重要な事項を調査審議するため、地方自治法(昭和22年法律第67号)第138条の4第3項の規定に基づき、市長の付属機関として川西市政治倫理審査会(以下「審査会」という。)を置く。
2 審査会の委員は、6人とし、社会的信望があり、地方行政に関し識見の高い者のうちから、市議会の意見を徴し、市長が委嘱する。
3 審査会の委員の任期は、2年とし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
4 審査会の委員は、再任されることができる。
5 市長は、審査会の委員が次の各号のいずれかに該当する場合においては、その委員を解任することができる。
(1) 心身の故障のため職務の執行に堪えないと認められるとき。
(2) 職務上の義務違反その他委員たるに適しない非行があると認められるとき。
6 審査会の会議は、公開するものとする。ただし、やむを得ず非公開とするときは、委員の定数の3分の2以上の同意を必要とする。
7 審査会の委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、また、同様とする。
8 審査会の委員は、特定の候補者、政党、議員若しくは市長を支持し、若しくは反対する目的のため、又は政治倫理の向上以外に市政に影響を与える目的のために、その職務を利用してはならない。
9 審査会の委員は、公平かつ適切にその職務を遂行しなければならない。
2 議長又は市長は、前項の規定により調査の請求を受けたときは、直ちに審査会に審査を求めなければならない。
(倫理基準違反の審査)
第7条 審査会は、前条第2項の規定による審査を求められたときは、当該調査請求の適否及び当該事案の存否の審査を行い、当該審査に係る議員又は市長に政治倫理基準に違反すると認められる事実があるときは、辞職の勧告その他の審査会が必要と認める措置を勧告することができる。
2 審査会は、前項の審査を行うため、議員若しくは市長又は当該事案の解明のために必要な範囲で第三者に対し、事情聴取等必要な調査を行うことができる。
3 第1項の規定による勧告は、文書をもって行い、かつ、理由を付さなければならない。
4 審査会は、第1項の規定による審査を終えたときは、規則で定めるところにより、審査結果の要旨を公表しなければならない。
(資産等に関する報告書の提出)
第8条 審査会は、事案の解明のため必要があるときは、議員又は市長から、規則で定めるところにより、資産等に関する報告書の提出を求めることができる。
2 審査会は、前項の規定による資産等に関する報告書の提出があった場合において、審査会が必要と認めるときは、規則で定めるところにより、これを公表する。
(議員又は市長の協力義務)
第9条 議員又は市長は、審査会の要求があるときは、審査に必要な資料を提出し、又は会議に出席して意見を述べなければならない。
(照会)
第10条 審査会は、必要があると認めるときは、国、他の地方公共団体又は公私の団体に照会して事案の実態を明らかにするものとする。
(虚偽報告等の公表等)
第11条 審査会は、議員又は市長が第8条第1項の規定による資産等に関する報告書の提出をせず、若しくは虚偽の報告をしたとき、又は調査に協力しなかったときは、規則で定めるところにより、その旨を公表するほか、必要な措置を採ることができる。
(収賄罪等宣告後における釈明)
第12条 議員又は市長が、刑法(明治40年法律第45号)第197条から第197条の4まで及び第198条(議員又は市長の地位又は職務と無関係な贈賄罪を除く。)に定める罪により有罪判決の宣告を受け、なおその職にとどまろうとするときは、議員については議長に市民に対する説明会の開催を求め、市長については市民に対する説明会を開催し、当該議員又は市長は、説明会に出席し釈明することができる。
2 市民は、前項の規定による説明会が開催されないときは、議会又は市長が定めるところにより、市民50人以上の連署をもって当該議員又は市長に説明会の開催を請求することができる。
3 前項の開催請求は、有罪判決宣告の日から30日を経過した日以後20日以内に、議員に係るものについては議長を通して、市長に係るものについては市長に行うものとする。
4 市民は、説明会において、当該議員又は市長に質問することができる。
(収賄罪等確定後の措置)
第13条 議員又は市長が前条の有罪の宣告を受け、その刑が確定したときは、公職選挙法(昭和25年法律第100号)第11条第1項の規定により失職する場合を除き、議員に対しては議会が、市長に対しては市長が、その名誉と品位を守り、市民の信頼を回復するため、必要な措置を講ずるものとする。
2 議会は、前項の当該議員に議会の名誉と品位を損なう重大な行為があると認めるときは、地方自治法第134条及び第135条の規定に基づき懲罰を科することができる。
(市工事等の契約に対する遵守事項)
第14条 議員及び市長は、地方自治法第92条の2及び第142条の規定に違反して請負(下請負を含む。)をすることにより、市民に対して疑惑の念を生じさせてはならない。
(手続の終了)
第15条 この条例に規定する議員又は市長に係る手続は、当該議員又は市長が辞職したとき、その他その職を退いたときは、終了するものとする。
(委任)
第16条 この条例の施行に関し必要な事項は、議会又は市長が定める。
付則
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から起算して3箇月を超えない範囲内において規則で定める日から施行する。
(平成4年2月規則第3号で、同4年2月10日から施行)
付則(平成5年12月24日条例第19号)
この条例は、平成6年2月10日から施行する。
付則(平成7年12月27日条例第33号)
この条例は、平成7年12月31日から施行する。