○川西市参画と協働のまちづくり推進条例
平成22年6月28日
条例第16号
目次
前文
第1章 総則(第1条―第7条)
第2章 行政活動への参画(第8条―第11条)
第3章 市民公益活動への支援及び市民等との協働(第12条―第14条)
第4章 推進方策(第15条・第16条)
第5章 雑則(第17条)
付則
私たちのまち川西は、先人のたゆまぬ努力の積み重ねにより、「利便性」と「豊かな自然」を兼ね備えた、人々が暮らしやすい成熟した都市へと発展してきました。
また、全国的に都市化が進み、近隣社会の連帯感や郷土意識の希薄化が懸念される中で、本市では昭和50年代から小学校区を基本的なエリアとするコミュニティづくりが始まるなど、市民による多様な地域活動も長年にわたり培われてきました。
一方、平成7年に発生した阪神・淡路大震災や平成10年の特定非営利活動促進法制定をきっかけに、ボランティアやNPO(民間非営利組織)による市民活動も活発になりました。
こうした中、地方分権の進展、人口の減少、少子・高齢化社会の到来、人々の価値観の多様化など、時代が大きく変化しており、市民等の行政活動への参画や自主的なまちづくり活動がこれまで以上に求められています。
市の政策は、議会と市長がそれぞれの役割と責任に基づいて決定し、推進するものですが、市民、自治会、コミュニティ、ボランティア、NPO、事業者や市など様々なまちづくりの主体が、対話と情報共有による信頼関係を大切にしながら、自らの役割を担い、お互いを補完し合うことで、さらに個性的で魅力あふれるまちづくりが実現できるものです。
このような認識のもと、かけがえのない“ふるさと川西”をさらに住みよいまちにしていくため、この条例を制定します。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、本市における参画と協働のまちづくりを推進するための基本理念及び基本的事項を定めるとともに、市民、市民公益活動団体、事業者及び市の役割を明らかにし、それぞれの適切な役割分担の下に、特性や強みを生かしながら、参画と協働のまちづくりの推進に資することを目的とする。
(1) 参画 市民、市民公益活動団体及び事業者が市の政策等の立案、実施及び評価の過程に主体的にかかわって意見や提言を行うことをいう。
(2) 協働 地域の課題解決に向けて、市民、市民公益活動団体、事業者及び市がそれぞれの役割に基づき、互いの立場を尊重し、相互に補完し合うことをいう。
(3) 市民 市内に住所を有する者、市内の事務所又は事業所に勤務する者及び市内の学校に在学する者をいう。
(4) 市 市長、教育委員会、選挙管理委員会、監査委員、公平委員会、農業委員会、固定資産評価審査委員会、上下水道事業管理者及び消防長をいう。
(5) 行政活動 総合計画の実現において、市が実施する各種の活動をいう。
(6) 市民公益活動 自発的及び自主的に行われる市民その他不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与することを目的とする活動をいう。ただし、次に掲げるものを除く。
ア 専ら直接的に利潤を追求することを目的とする経済活動
イ 宗教の教義を広め、儀式行事を行い、及び信者を教化育成することを主たる目的とする活動
ウ 政治上の主義を推進し、支持し、又はこれに反対することを主たる目的とする活動
エ 特定の公職(公職選挙法(昭和25年法律第100号)第3条に規定する公職をいう。以下同じ。)の候補者(当該候補者になろうとする者を含む。)若しくは公職にある者又は政党を推薦し、支持し、又はこれらに反対することを目的とする活動
(7) 市民公益活動団体 自治会、コミュニティ、ボランティア、NPOなど、前号に掲げる活動を行う団体をいう。
(8) 事業者 市内で事業を営むものをいう。
(基本理念)
第3条 市民、市民公益活動団体及び事業者(以下「市民等」という。)並びに市は、次に掲げる基本理念にのっとり、参画と協働のまちづくりを推進するものとする。
(1) 公正性及び透明性を確保し、互いの情報を共有し合うこと。
(2) 自らの役割と責務を理解し、相互に補完し合うこと。
(3) 対話を基本とし、互いの自主性及び主体性を尊重し、互いに協力し合うこと。
(市民の役割)
第4条 市民は、基本理念にのっとり、自らがまちづくりの主体であることを認識し、地域社会における生活及び多様な社会経験を生かし、自主的に参画と協働のまちづくりに参加するよう努めるものとする。
(市民公益活動団体の役割)
第5条 市民公益活動団体は、基本理念にのっとり、地域のつながり、自らの持つ知識及び専門性を生かし、様々なまちづくりの主体と交流し、又は連携しながら参画と協働のまちづくりの推進に努めるものとする。
(事業者の役割)
第6条 事業者は、基本理念にのっとり、参画と協働のまちづくりへの理解を深め、地域社会を構成する一員として自主的に参画と協働のまちづくりに参加するよう努めるものとする。
(市の責務)
第7条 市は、基本理念にのっとり、市民等と連携し、参画と協働のまちづくりの推進に努めなければならない。
2 市は、政策等の立案、実施及び評価の過程において、その内容、効果等を市民等に分かりやすく説明する責務を有する。
3 市は、市民等からの市政に関する質問、意見、要望等に対し、適切かつ誠実にこたえる責務を有する。
第2章 行政活動への参画
(参画機会の確保)
第8条 市は、行政活動における市民等の参画の機会を確保するよう努めなければならない。
(意見提出手続)
第9条 市は、次に掲げる事項についての案を作成しようとするときは、素案及びこれに関連する資料をあらかじめ公表し、広く市民等(当該案件に係る利害関係人を含む。)に意見の提出を求める手続(以下「意見提出手続」という。)を行うものとする。ただし、法令等により同様の手続が定められている場合は、この限りでない。
(1) 市の基本構想、基本計画その他基本的な事項を定める計画等の策定又は改廃
(2) 義務を課し、又は権利を制限することを内容とする条例の制定又は改廃
(3) 広く市民等に適用され、市民生活又は事業活動に重大な影響を及ぼす条例の制定又は改廃
(4) 公共の用に供される大規模な施設の設置に係る基本計画等の策定又は変更
(5) 前各号に掲げるもののほか、市が必要と認めるもの
(1) 迅速又は緊急を要するもの
(2) 軽微なもの
(3) 法令等の規定による基準に従って作成するもの
(4) 市の内部の事務処理等に関するもの
(5) 市税等の賦課徴収及び分担金、使用料、手数料等の徴収に関するもの
3 市は、第1項の規定により提出された意見に対する市の検討結果を公表しなければならない。
4 前3項に定めるもののほか、意見提出手続に関し必要な事項は、規則で定める。
(付属機関等)
第10条 市は、付属機関等(地方自治法(昭和22年法律第67号)第138条の4第3項の規定に基づき設置する審議会その他の付属機関及び市民等が参画して構成する組織をいう。以下同じ。)の委員を選任するときは、付属機関等の設置目的を達成するために必要な専門性の確保、男女比率、年齢構成、地域性等を考慮し、幅広い分野から人材を登用するとともに、委員の公募等により市民等の多様な意見が反映されるよう努めるものとする。
2 市は、付属機関等を設置したときは、その名称、目的、委員名簿、委員の選出基準等を公表するものとする。
3 市は、付属機関等の会議(以下「会議」という。)を公開するものとする。ただし、法令等の規定により公開しないことと定められている場合その他市が別に定めるものについては、会議の全部又は一部を公開しないことができる。
4 市は、会議を開催しようとするときは、事前に会議名、開催の日時、場所、傍聴等の手続について公表するものとする。ただし、緊急に会議を開催する必要があるときは、この限りでない。
5 市は、会議の終了後、速やかに会議録を調整し、公表するものとする。ただし、川西市情報公開条例(平成4年川西市条例第8号)第7条第1項各号に規定する非公開情報については、公表しない。
(その他の措置)
第11条 市は、前2条に定めるもののほか、政策等の立案、実施及び評価の過程において、広く市民等の意見及び提案を得るため、適切かつ効率的な措置を講ずるものとする。
第3章 市民公益活動への支援及び市民等との協働
(市民公益活動への支援及び市民等との協働)
第12条 市は、市民公益活動団体の自主性及び自立性を尊重し、その活動を促進するため、市民公益活動に対して必要な支援に努めるとともに市民等との協働を推進するものとする。
(基本計画の策定)
第13条 市長は、市民公益活動を支援するとともに市民等との協働を推進するため、基本計画を策定し、総合的かつ計画的な施策を実施するものとする。
(基本施策)
第14条 市は、市民公益活動を支援するとともに市民等との協働を推進するため、次に掲げる施策を講じなければならない。
(1) 参画と協働のまちづくりに関する情報を収集し、様々な活動主体が情報共有できる仕組みに関すること。
(2) 参画と協働のまちづくりの担い手を発掘し、育成し、及び参画と協働のまちづくりを支える人材を支援する仕組みに関すること。
(3) 市民公益活動及び協働の重要性についての認識を深めるための機会を確保すること。
(4) 前3号に掲げるもののほか、市民公益活動を支援するとともに市民等との協働を推進するため必要があると市が認める事項
第4章 推進方策
(推進会議の設置)
第15条 市長は、参画と協働のまちづくりの推進に関する事項を調査審議するため、川西市参画と協働のまちづくり推進会議(以下「推進会議」という。)を置く。
2 推進会議は、委員20人以内で組織する。
3 委員は、次に掲げる者のうちから、市長が委嘱等を行うものとする。
(1) 学識経験者
(2) 市民公益活動団体の代表
(3) 市民
(4) 前3号に掲げる者のほか、市長が必要と認める者
4 委員の任期は、2年以内とする。ただし、委員が欠けた場合における補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
5 委員は、再任されることができる。
6 前各項に定めるもののほか、推進会議の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。
(年次報告)
第16条 市長は、毎年度、参画と協働のまちづくりの推進に関する取組状況について、公表するものとする。
第5章 雑則
(委任)
第17条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則等で定める。
付則
この条例は、平成22年10月1日から施行する。
付則(平成22年12月22日条例第25号抄)
(施行期日)
1 この条例は、平成23年4月1日から施行する。
付則(平成30年12月26日条例第32号)
(施行期日)
1 この条例は、平成31年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 この条例の施行の日(以下「施行日」という。)前にこの条例による改正前のそれぞれの条例の規定により病院事業管理者(以下「管理者」という。)が行った処分その他の行為で現にその効力を有するもの又はこの条例の施行日前にこの条例による改正前のそれぞれの条例の規定により管理者に対して行われた請求その他の行為で、施行日以後において市長が管理し、及び執行することとなる事務に係るものは、市長が行った処分その他の行為又は市長に対して行われた請求その他の行為とみなす。
付則(平成31年3月27日条例第3号)
この条例は、公布の日から施行する。