○川西市債権管理条例
平成27年3月27日
条例第4号
(目的)
第1条 この条例は、市の債権の管理に関する事務処理について必要な事項を定めることにより、市の債権管理の一層の適正化を図り、もって債務の負担の公平性及び健全な行財政運営に資することを目的とする。
(1) 市の債権 金銭の給付を目的とする市の権利(地方自治法(昭和22年法律第67号)第240条第4項各号に規定する債権を除く。)をいう。
(2) 強制徴収公債権 市の債権のうち地方自治法第231条の3第3項の規定により地方税の滞納処分の例により処分することができるものをいう。
(3) 非強制徴収公債権 市の債権のうち地方自治法第231条の3第1項に規定する歳入(同条第3項に規定する歳入を除く。)に係るものをいう。
(4) 私債権 市の債権のうち前2号に掲げる債権以外のものをいう。
(他の法令等との関係)
第3条 市の債権の管理に関する事務の処理については、法令又は他の条例若しくはこれに基づく規則(以下「法令等」という。)に特別な定めがある場合を除くほか、この条例の定めるところによる。
(市長の責務)
第4条 市長は、法令等の定めるところにより、市の債権を適正に管理しなければならない。
(台帳の整備)
第5条 市長は、市の債権を適正に管理するため、市長が別に定めるところにより、台帳を整備しなければならない。
(督促)
第6条 市長は、市の債権について、履行期限までに履行しない者があるときは、法令等の定めるところにより期限を指定してこれを督促しなければならない。
(滞納処分等)
第7条 市長は、強制徴収公債権について、前条の規定による督促を受けた者が指定した期限までに履行しないときは、法令等の規定により滞納処分を行わなければならない。
2 市長は、前項の規定にかかわらず、法令等に定める事由に該当するときは、換価の猶予、滞納処分の停止等を行うものとする。
(1) 担保の付されている非強制徴収債権(保証人の保証がある非強制徴収債権を含む。)については、当該債権の内容に従い、その担保を処分し、若しくは競売その他の担保権の実行の手続をとり、又は保証人に対して履行を請求すること。
(2) 債務名義のある非強制徴収債権(次号の措置により債務名義を取得したものを含む。)については、強制執行の手続をとること。
(履行期限の繰上げ)
第9条 市長は、市の債権について、履行期限を繰り上げることができる理由が生じたときは、遅滞なく、債務者に対し、履行期限を繰り上げる旨の通知をしなければならない。ただし、第12条第1項各号のいずれかに該当する場合その他特に支障があると認める場合は、この限りでない。
(債権の申出等)
第10条 市長は、市の債権について、債務者が強制執行又は破産手続開始の決定を受けたこと等を知った場合において、法令の規定により市が債権者として配当の要求その他債権の申出をすることができるときは、直ちに、そのための措置をとらなければならない。
2 前項に規定するもののほか、市長は、市の債権を保全するため必要があると認めるときは、債務者に対し、担保の提供(保証人の保証を含む。)を求め、又は仮差押え若しくは仮処分の手続をとる等必要な措置をとらなければならない。
(徴収停止)
第11条 市長は、非強制徴収債権で履行期限後相当の期間を経過してもなお完全に履行されていないものについて、次の各号のいずれかに該当し、これを履行させることが著しく困難又は不適当であると認めるときは、以後その保全及び取立てをしないことができる。
(1) 法人である債務者がその事業を休止し、将来その事業を再開する見込みが全くなく、かつ、差し押えることができる財産の価額が強制執行の費用をこえないと認められるとき。
(2) 債務者の所在が不明であり、かつ、差し押えることができる財産の価額が強制執行の費用をこえないと認められるときその他これに類するとき。
(3) 債権金額が少額で、取立てに要する費用に満たないと認められるとき。
(履行延期の特約等)
第12条 市長は、非強制徴収債権について、次の各号のいずれかに該当する場合においては、その履行期限を延長する特約又は処分をすることができる。この場合において、当該債権の金額を適宜分割して履行期限を定めることを妨げない。
(1) 債務者が無資力又はこれに近い状態にあるとき。
(2) 債務者が当該債務の全部を一時に履行することが困難であり、かつ、その現に有する資産の状況により、履行期限を延長することが徴収上有利であると認められるとき。
(3) 債務者について災害、盗難その他の事故が生じたことにより、債務者が当該債務の全部を一時に履行することが困難であるため、履行期限を延長することがやむを得ないと認められるとき。
(4) 損害賠償金又は不当利得による返還金に係る非強制徴収債権について、債務者が当該債務の全部を一時に履行することが困難であり、かつ、弁済につき特に誠意を有すると認められるとき。
2 市長は、履行期限後においても、前項の規定により履行期限を延長する特約又は処分をすることができる。この場合においては、既に発生した履行の遅滞に係る損害賠償金その他の徴収金(以下「損害賠償金等」という。)に係る非強制徴収債権は、徴収すべきものとする。
(免除)
第13条 市長は、前条の規定により債務者が無資力又はこれに近い状態にあるため履行延期の特約又は処分をした非強制徴収債権について、当初の履行期限(当初の履行期限後に履行延期の特約又は処分をした場合は、最初に履行延期の特約又は処分をした日)から10年を経過した後において、なお、債務者が無資力又はこれに近い状態にあり、かつ、弁済することができる見込みがないと認められるときは、当該債権及びこれに係る損害賠償金等を免除することができる。
3 前2項の免除をする場合については、議会の議決は、これを要しない。
(債権の放棄)
第14条 市長は、非強制徴収債権について、次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該債権及びこれに係る損害賠償金等の一部又は全部を放棄することができる。
(1) 非強制徴収債権(消滅時効について時効の援用を要しない債権を除く。)の消滅時効が完成したとき(時効完成後に債務者が当該債権につき一部を履行したとき、その他債務者が時効を援用しないことにつき特別の理由があるときを除く。)。
(2) 債務者が死亡し、その相続について限定承認があった場合において、その相続財産の価額が強制執行をした場合の費用並びに他の債権に優先して弁済を受ける債権及び市以外の者の権利の金額の合計を超えないと認められるとき。
(5) 破産法(平成16年法律第75号)第253条第1項その他の法令の規定により、債務者が当該債権について、その責任を免れたとき。
(6) 当該債権の存在につき法律上の争いがある場合において、市長が勝訴の見込みがないものと決定したとき。
2 上下水道事業管理者は、前条の規定により非強制徴収債権を放棄したときは、これを市長に報告しなければならない。
(地方公営企業管理者が管理する債権への適用)
第16条 この条例を上下水道事業管理者が管理する債権に適用する場合においては、この条例の規定(前条の規定を除く。)中「市長」とあるのは、「上下水道事業管理者」とする。
(委任)
第17条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。
付則
この条例は、平成27年7月1日から施行する。
付則(平成30年12月26日条例第32号)
(施行期日)
1 この条例は、平成31年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 この条例の施行の日(以下「施行日」という。)前にこの条例による改正前のそれぞれの条例の規定により病院事業管理者(以下「管理者」という。)が行った処分その他の行為で現にその効力を有するもの又はこの条例の施行日前にこの条例による改正前のそれぞれの条例の規定により管理者に対して行われた請求その他の行為で、施行日以後において市長が管理し、及び執行することとなる事務に係るものは、市長が行った処分その他の行為又は市長に対して行われた請求その他の行為とみなす。