○未来につなぐ川西市中小企業振興条例
令和8年3月26日
条例第5号
川西市は、猪名川上流に位置し、自然と都市の利便性が調和した住宅都市として発展してきました。本市では、小規模企業者をはじめとする中小企業を、地域経済と雇用を支える重要な役割を担う存在と位置づけています。
本市は、人口の減少、少子化及び高齢化の進行に伴う経営環境の変化など、本市を取り巻く社会経済情勢が大きく変化する中で、市民が豊かな暮らしを実感でき、新たな事業に挑戦する事業者を成長させ、それを支える風土を醸成することで、これからの社会を担うこどもたちのためにも、夢に向かって挑戦できるまちづくりを推進します。
そのためには、地域産業の基盤を支える中小企業の成長及び持続的な発展並びに労働者が安心して働ける環境の整備が不可欠であることから、本市及び商工会が新たな創業の支援や既存企業の持続的経営を後押しし、中小企業、金融機関、大企業、事業者団体、市民など、多様な主体が連携することで、地域経済及び社会に活力ある未来をめざします。
ここに、中小企業が地域経済及び社会の発展に重要な役割を担うべき存在であるという認識を共有し、地域社会が一体となって中小企業の振興に取り組むためにこの条例を制定します。
(目的)
第1条 この条例は、中小企業に関係する多様な主体が地域経済において果たすべき役割を明らかにし、地域社会の連携を促進するとともに、中小企業の成長及び持続的な発展に必要な制度その他の環境を整備することにより、中小企業の振興を図り、もって地域経済の発展を実現すること及び安定的かつ健全なまちづくりを将来にわたって達成することを目的とする。
(1) 中小企業 中小企業基本法(昭和38年法律第154号)第2条第1項各号に掲げるもの又は同条第5項に規定する小規模企業者であって、市内に事務所又は事業所を有するものをいう。
(2) 金融機関 銀行法(昭和56年法律第59号)第2条第1項に規定する銀行、信用金庫法(昭和26年法律第238号)第1条の信用金庫その他中小企業を支援する金融の業務を行うものをいう。
(3) 大企業 中小企業以外の会社であって、市内に事務所若しくは事業所を有するもの又は本市と包括連携協定を締結しているものをいう。
(4) 事業者団体 商店会その他市内の商工業等の振興に関わる団体及びその連合会(商工会を除く。)をいう。
(5) 市民等 市内に住所を有する者又は市内に通勤し、若しくは通学する者をいう。
(6) 商工会 商工会法(昭和35年法律第89号)第1条の商工会であって、同法第7条の商工会の地区を本市の区域とするものをいう。
(基本理念)
第3条 中小企業の振興は、次に掲げる事項を基本理念として推進するものとする。
(1) 新たな事業に挑戦する中小企業及び既存の中小企業が、地域特性を生かしながら、金融機関、大企業、事業者団体、市民等、市及び商工会と連携し、挑戦し続け共に支え合う風土を醸成すること。
(2) 中小企業、金融機関、大企業、事業者団体、市民等、市及び商工会の多様な主体が、それぞれの役割を果たし、連携を通じて地域経済を発展させること。
(3) 中小企業の活力を地域経済の発展及び雇用の安定につなげることで、市民等の豊かな暮らしを実現すること。
(4) 中小企業及び市民等が共に成長し、こどもたちが夢と希望をかなえることができる活力ある未来を築くこと。
(施策の基本方針)
第4条 市は、次に掲げる基本方針に従い、中小企業の振興に関する施策を行うものとする。
(1) 地域特有の魅力、資源等を生かした新たな事業を創出しようとする中小企業及びその事業を支援する制度を整備すること。
(2) 中小企業及び市民等が事業を創出、継続及び発展することができるような風土の醸成並びに事業を担う人材の育成等中小企業の持続可能な成長につながる支援を実施すること。
(3) 中小企業が新たな価値及び事業を創出することを促進するため、互いに又は大企業と連携及び協働することを可能とする環境を整備すること。
(4) 市民等が中小企業を積極的に利用できる環境を整備すること。
(5) 地域全体の魅力を高め、市民生活の質を向上させるよう中小企業が発展する支援を実施すること。
(6) 中小企業の挑戦及び成長が、こどもたちの生活環境の向上に結びつくことができる支援を実施すること。
(中小企業の役割)
第5条 中小企業は、市民生活を支える雇用機会及びサービスを提供し、地域経済の発展に努めるとともにまちづくりに貢献するものとする。
2 中小企業は、自らの競争力を高めながら、経営環境の変化に応じた事業活動の向上及び改善に努めるものとする。
3 中小企業は、商工会及び事業者団体に積極的に参加し、市が実施する中小企業の振興に関する施策へ協力するよう努めるものとする。
(金融機関の役割)
第6条 金融機関は、中小企業への資金供給、その保有する知見及び情報集積を生かした経営助言等により、地域経済の発展と安定を支えるよう努めるものとする。
2 金融機関は、市、商工会、事業者団体等と連携し、中小企業の成長支援を図ることで、地域振興に貢献するよう努めるものとする。
(大企業の役割)
第7条 大企業は、広域的な視点及び自らの事業活動の影響力を生かし、中小企業、金融機関、事業者団体、市民等、市及び商工会との連携を強化することで、地域経済の発展に貢献するよう努めるものとする。
2 大企業は、こどもたちの未来に寄与する情報発信及び中小企業等との連携を通じて、こどもたちが、将来的に地域貢献したくなるまちづくりに協力し、地域社会の豊かさを支えるよう努めるものとする。
(事業者団体の役割)
第8条 事業者団体は、地域産業の持続的な振興を図り、雇用の創出、地域資源の活用及び社会的課題の解決を通じて、地域社会に貢献するよう努めるものとする。
2 事業者団体は、中小企業、金融機関、大企業、市民等、市及び商工会との協力体制を強化するための基盤を整備することに努めるものとする。
(市民等の役割)
第9条 市民等は、地域経済の発展が自らの生活の質の向上につながることを理解し、市内の中小企業を積極的に利用するとともに、地域内のサービス又は生産物を購入することで、地域経済の発展を支えることに努めるものとする。
(市の責務)
第10条 市は、中小企業等の多様な主体とのつながりを生み出す基盤として、産業ビジョンの施策を企画し、実施することで、地域経済の活性化を図り、公共事業及び経済対策を効率的に実施しながら中小企業の持続可能な成長を支援することにより、地域経済の発展に努めるものとする。
(商工会の責務)
第11条 商工会は、地域の拠点として経済の発展を促進するとともに、中小企業、金融機関、大企業、事業者団体、市民等及び市とのネットワークを構築するように努めるものとする。
2 商工会は、中小企業が抱える様々な課題に対して、市と連携して中小企業の活動及び市民の生活を向上させるよう努めるものとする。
3 商工会は、市が実施する中小企業の振興に資する施策の実施に積極的に協力するものとする。
4 商工会は、国又は県の交付金その他の財源を活用して市が行う経済対策について、市と協力し、その円滑かつ効果的な実施に努めるものとする。
5 前各項の責務を果たすため、商工会は市との協議を重ねつつ、地域経済の課題等に関する情報の収集、中小企業等への周知及び市との協力体制の構築を行うものとする。
(協議の場の設置)
第12条 市長及び商工会の代表者は、年度ごとに1回以上、市内中小企業の経済状況及び課題を共有し、必要な施策について協議する場を設けるものとする。
2 前項の協議において、商工会は施策に関する提案を行い、市はこれを十分に尊重し、施策の策定及び実施に反映するよう努めなければならない。
3 市及び商工会は、国又は県の交付金その他の財源を活用する経済対策を市が実施する場合においても、その内容を共有し、適切かつ迅速に実施できるよう協議しなければならない。
(産業ビジョンの策定)
第13条 市は、中小企業の振興及びその他市の産業全体に関する施策を総合的かつ計画的に実施するため、川西市産業ビジョンを定めるものとする。
(産業ビジョンの実施)
第14条 市は、川西市産業ビジョンに基づき、関係機関等と連携して、総合的かつ計画的に施策を実施するものとする。
2 市は、産業振興に関する施策の進捗状況を把握し、川西市産業ビジョンを社会経済情勢の変化に適応する内容にしなければならない。
付則
この条例は、令和8年4月1日から施行する。