○川西市議会基本条例
平成29年3月27日
条例第15号
目次
前文
第1章 総則(第1条)
第2章 議会の運営(第2条―第5条)
第3章 議員の活動(第6条―第9条)
第4章 市民と議会との関係(第10条―第13条)
第5章 議会と市長等との関係(第14条―第18条)
第6章 議会機能の強化(第19条―第24条)
第7章 議会の災害対応(第25条)
第8章 議員の報酬(第26条)
第9章 最高規範性及び検証、見直し手続(第27条―第29条)
付則
川西市は、大阪や神戸の近郊に位置し、豊かな自然に恵まれ、清和源氏ゆかりの史跡など歴史と文化の魅力ある住宅都市として発展してきました。
また、昭和50年代半ばからは、積極的なコミュニティ施策が進められ、今では全市的に概ね小学校区単位を基本としたコミュニティ組織が結成され、様々な活動が展開されています。
さらに、いわゆる地方分権一括法の施行に始まる地方分権の進展に伴い、なお一層住民自治を推し進めるため、平成22年に「川西市参画と協働のまちづくり推進条例」を、平成26年には「川西市地域分権の推進に関する条例」を制定するなど、市民生活には個性的で自立した地域づくりが根付いてきました。
川西市議会では、これまでの歴史を踏まえ、積極的な情報公開をはじめ、様々な議会改革を進めてきましたが、さらに地方自治の本旨である住民自治の精神を尊重し、市民の多様な意見を市政に反映させるために議論を尽くさなければならず、そのために議員1人ひとりの不断の努力が求められています。
市民の負託を受けた議員それぞれが「議員力」を高めるとともに、議会がチームとなって「議会力」を高め、二元代表制の下、市長との健全な緊張関係を保ちながら、市長等の事務の執行を監視し、情報発信や政策提案等を通じて魅力ある市政を実現することによって、市民がずっと住み続けたいと感じられるまち「ふるさと川西」にするため、本条例を制定します。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、二元代表制の下、市政における最高の意思決定機関である議会の役割を明らかにするとともに、その活動原則及び責務その他議会に関する基本的事項を定めることにより、市民の負託に応えるべく公平かつ公正な議会運営を実現し、もって市民福祉の向上及び民主的な市政の発展を図ることを目的とする。
第2章 議会の運営
(議会の運営原則)
第2条 議会は、次に掲げる原則に基づき運営しなければならない。
(1) 公平性及び透明性を確保するとともに、市民に開かれた議会であること。
(2) 市民に分かりやすい議会であること。
(3) 市民の多様な意見を的確に把握し、これを踏まえて、自主的かつ継続的な改革を推進する議会であること。
(4) 議員相互の自由闊達な討議を中心とした運営に努め、十分な議論を尽くし、合意形成を図ろうとする議会であること。
(定例会の回数及び会期等)
第3条 地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第102条第2項に規定する定例会の回数は、年4回とする。
2 定例会及び臨時会の会期その他の議事運営に関する事項は、川西市議会会議規則(平成4年川西市議会規則第1号)に定めるところによる。
(議員定数)
第4条 議員の定数は、議会の役割及び機能を果たすことができ、かつ、市民の意見等を考慮した上で定めるものとする。
2 法第91条第1項に規定する議員の定数は、24人とする。
(委員会等)
第5条 議会は、議案の専門性及び特性に応じ、効率的かつ詳細な審査を実施することができるよう、常任委員会を設置し、また、必要に応じて特別委員会を設置することができる。
2 議会は、その運営に関する諸問題等に適切に対応するため、議会運営委員会を設置する。
3 常任委員会及び特別委員会の設置及び運営等並びに議会運営委員会の運営等に関しては、川西市議会委員会条例(昭和31年川西市条例第40号)に定めるところによる。
4 常任委員会、特別委員会、議会運営委員会及び議会において別に定める会議(以下「委員会等」という。)は、市政の課題に適切かつ迅速に対応するため、所管の事務の調査の充実を図るとともに、積極的な政策立案及び政策提言を行うものとする。
第3章 議員の活動
(議員の活動原則)
第6条 議員は、次に掲げる原則に基づき活動しなければならない。
(1) 議会が言論の府であること及び合議体であることを認識し、議員間の自由な討議を重んじること。
(2) 市民の多様な意見を的確に把握するよう努めること。
(3) 条例、意見書案等の発議をはじめ、積極的な政策提案に努めること。
(4) 日ごろの調査及び研修を通じ、自らの資質向上に努めること。
(議員の政治倫理)
第7条 議員は、市民の代表として相応しい品位を保ち、議員としての責務を正しく認識し、議会の一員として、その使命の達成に努めなければならない。
2 政治倫理に関して議員が遵守すべき事項は、川西市議会議員及び市長の倫理に関する条例(平成3年川西市条例第23号)に定めるところによる。
(会派)
第8条 議員は、政策立案、決定、提案その他議会活動を行うため、同一理念を共有する2人以上の議員をもって会派を結成することができる。
2 会派に関する規定は、別に定めるところによる。
(政務活動費)
第9条 会派及びいずれの会派にも属さない議員(以下「会派無所属議員」という。)は、不断の能力の向上のために法第100条第14項に規定する政務活動費を有効に活用し、市政に関する調査研究その他の活動を積極的に行うことができる。
2 会派及びこれに所属する議員並びに会派無所属議員は、政務活動費の適正な執行及び使途の透明性を十分に確保し、説明責任を果たさなければならない。
3 政務活動費の交付に関しては、川西市議会政務活動費の交付に関する条例(平成13年川西市条例第3号)に定めるところによる。
第4章 市民と議会との関係
(情報発信、共有及び説明責任)
第10条 議会は、議決事件等の審議経過及びその結果をはじめ、保有する情報を積極的に発信し、情報の共有を推進するとともに、説明責任を十分に果たさなければならない。
(傍聴及び会議録の公開)
第11条 本会議及び委員会等の会議は、原則として全て公開とし、会議録その他配布資料等についても同様とする。
(市民参加)
第12条 議会は、市民参加の機会を拡充するとともに、市民の意見を反映させ、政策立案、政策提言等を積極的に行うよう努めなければならない。
2 議会は、前項に規定する機会を確保するため、次に掲げる方法のうち、適当な方法を選択して実施するものとする。この場合においては、意見表明の機会を十分に活用できない市民の意見等も踏まえ、市民全体の意向を把握するように努めなければならない。
(1) 議会報告会又は意見交換会
(2) 議員提出議案及び政策提案等の素案並びにこれに関連する資料をあらかじめ公表し、広く市民等(当該案件に係る利害関係人を含む。)に意見提出を求める手続
(3) アンケート調査
(4) 前3号に掲げるもののほか、議長が適当と認める方法
(請願及び陳情)
第13条 議会は、請願及び陳情を市民による政策提案と受け止め、適切かつ誠実に取り扱うものとする。
2 議会は、請願者の求めに応じて、請願者が説明及び意見陳述を行う場を設けることができる。
第5章 議会と市長等との関係
(市長等との関係)
第14条 議会は、市長その他の執行機関(以下「市長等」という。)の事務を監視し、また、市民の意見を踏まえて、様々な調査及び研究を重ねたうえで政策提言等を行うことなどにより、常に緊張ある関係を保持し、共に市政の発展に尽くさなければならない。
(議決事件)
第15条 議会は、法第96条第2項の趣旨を踏まえ、適切な時期に議決事件対象の追加又は削除を検討するよう努め、その結果について必要な措置を講じるものとする。
2 議会は、前項の規定により追加又は削除するときは、その理由を明確にしなければならない。
(監視及び評価)
第16条 議会は、議決、調査、検査その他の権限を行使することにより、市長等の事務の執行を監視し、その評価を行うものとする。
(議会への報告及び情報の提供)
第17条 議会は、政策水準の一層の向上を図るため前条に基づき評価を行う場合その他必要と認めるときは、市長等に対し資料の提出又は説明を要求することができる。
2 前項の要求があったときは、市長等は誠実に対応するものとする。
(会議における質疑応答)
第18条 本会議及び委員会等における議員と市長等との質疑応答は、論点及び争点を明確にして行うものとする。
2 市長等は、本会議及び委員会等において、当該質疑を行った議員又は委員に対して質疑又は趣旨の確認をするための発言をすることができる。
第6章 議会機能の強化
(専門的知見の活用)
第19条 議会は、市の直面する重要課題に対応するため、法第100条の2の規定により、大学等研究機関との連携又は専門的な知識及び経験を有する者の積極的な活用を図るものとする。
2 議会は、専門的かつ政策的見識等を討議に反映させるため、法第115条の2第1項に規定する公聴会及び同条第2項に規定する参考人を活用するよう努めるものとする。
3 第1項による活用を図るため必要な事項は、別に定める。
(議員研修)
第20条 議会は、議員の政策形成及び立案能力の向上を図るため、議員研修の充実に努めるものとする。
2 前項の議員研修の充実に当たっては、多様な分野から専門的知識を取り入れるよう配慮しなければならない。
(議会広報の充実)
第21条 議会は、市議会ホームページ等の情報通信技術の発達を踏まえた多様な広報手段を活用し、多くの市民が議会及び市政への関心を高めるための体制整備並びに議会広報活動の充実に努めるものとする。
(議会図書室)
第22条 議会は、議員の調査研究及び政策立案に資するため、図書室機能の充実に努めるものとする。
(議会事務局)
第23条 議会は、その政策立案能力を向上させ、議会活動を円滑かつ効率的に行うため、議会事務局の調査機能及び法制機能の充実並びに組織体制の整備に努めるものとする。
(適正な議会費の確立)
第24条 議会は、適正な議会の活動費を確保し、より円滑な議会運営を確立するため、必要な予算の確保に努めるものとする。
第7章 議会の災害対応
(災害時における議会及び議員の役割)
第25条 議会は、災害対策基本法(昭和36年法律第223号)第2条第1号に規定する災害により被害が発生したとき、又は発生する恐れがある場合(以下「災害等」という。)であって、議長が必要と認めるときは、市長等が災害等の対応に専念し、応急活動等を円滑かつ迅速に実施できるよう必要な協力又は支援を行うものとする。
2 議員は、災害等が発生したときは、地域における被災者の安全の確保、避難所への誘導又は避難所の運営等に対する支援を行うなど、地域の一員として共助の活動が円滑に行われるよう努めるものとする。
3 前2項に定めるもののほか、議会の災害対応に関し必要な事項は、別に定める。
第8章 議員の報酬
(議員報酬)
第26条 議員報酬は、川西市付属機関に関する条例(昭和52年川西市条例第3号)別表に規定する川西市特別職報酬等審議会の答申及びその他の事情を考慮し、定めるものとする。
2 議員報酬に関する規定は、川西市議会議員の議員報酬等に関する条例(昭和31年川西市条例第32号)に定めるところによる。
第9章 最高規範性及び検証、見直し手続
(最高規範性)
第27条 この条例は、議会における最高規範であって、議会に関する他の条例等の制定、改廃、解釈及び運用に当たっては、この条例に定める事項との整合性を図らなければならない。
(本条例の研修)
第28条 議会は、この条例の理念を議員間で共有するため、議員就任後、速やかに全議員を対象とした研修を実施しなければならない。
(条例の検証及び見直し手続)
第29条 議会は、市民の意見や社会情勢等を考慮し、必要があると認めるときは、この条例の目的が達成されているか否かを、議会運営委員会において検証するものとする。
2 議会は、前項の規定による検証の結果、見直しが必要と認められる場合は、この条例及びその他議会に関する条例の改正を含め、適切な措置を速やかに講じるものとする。
付則
(施行期日)
1 この条例は、平成29年4月1日から施行する。
(川西市議会定例会条例の廃止)
2 川西市議会定例会条例(昭和31年川西市条例第19号)は、廃止する。
(川西市議会議員定数条例の廃止)
3 川西市議会議員定数条例(平成14年川西市条例第23号)は、廃止する。
付則(令和3年12月27日条例第31号)
この条例は、次の一般選挙から施行する。